世界観

歴史

➤ 捕食者・上位種としての〝 吸血鬼 〟と、非捕食者・下位種としての〝 人間 〟がいるパロディ世界。

 

➤ 吸血鬼の成り立ちは未だ不明。古代より記録が残っていることから、いわゆる先住民ではないかと言われている。



吸血鬼と人間はあまり馴れ合わず、昼と夜に分かれ暮らしていたが、200年ほど前 人間側の長が殺されたことにより戦争が勃発。
一部の親人( 人間に友好的 )の吸血鬼は人間に味方したが、それでも人間が優位になることはなく吸血鬼側の一方的な虐殺となった。


約100年前、〝 協会 〟と呼ばれる対吸血鬼組織が誕生。
彼らが使う武器や道具により、どうにか吸血鬼と話し合いの場につくことができた。 協会の主導により、いくつかの法律を作り人間と吸血鬼の戦争は終戦を迎える。


・『 人間の許可無しに吸血行為を行ってはならず、行った場合は拘束もしくは討伐対象となる 』
・『 成人した人間は月に一回血液の提供を行う 』
・『 協会は特別高等警察機関として、あらゆる条約の制限を受けない 』


( ただし近年、それらを無視する者や、独自の取締を行う協会の人間も増えているようだ。)
発展

➤ 発展具合はだいたい日本の大正時代程度。ただしあくまでファンタジー世界なので、カタカナ語が多い。


・電話の普及はあまりしておらず、基本は電報や手紙を使用。
・電気は通っているが、家電はまだどこにでもあるようなものじゃない。洗濯機、テレビ、エアコンなどはない。夏は扇風機、冬は石油ストーブ。灯りは石油ランプがまだ現役。

・水道はだいたい普及済み。井戸もある。

・服装は和風から洋風まで雑多。現代と変わらない。

・移動は路面電車がメイン。乗合馬車もある。個人で所有する乗用車はある程度の金持ちが持っているイメージ。

・食事は比較的雑多。庶民はめったに洋食を食べないかも。

・協会の人間が使う道具には正しい大正時代には無かった武器などもあるが、一般に流通はしていないものとする。
吸血鬼

➤ 生態

不老長寿・脅威的な身体能力を持ち、人間の血液を栄養源としている種族。
人間と同じように生まれ、成長し、本人の全盛期で老いを止める。力が強ければ自身の肉体を自在に作り替えることも出来るため、外見に意味はあまりないだろう。

力の大小問わず皆ずば抜けた美形であり、過去には美男美女を吸血鬼として心臓を抉る〝 心臓狩り 〟が行われたほど。

再生能力も並外れているが、心臓と脳を同時に破壊されると再生できなくなる。裏を返せば、どちらかが残っていれば致命傷を与えるのは難しいと言うことだ。


血液を飲まず生きれる期間は二週間 ~ 一ヶ月ほど( 個人差 )。
一週間を過ぎた辺りで力と理性が弱くなっていき、最終的には喰種( グール )と呼ばれる化け物になってしまう。
血液の必要量も個人差があり、一概には言えない。
頻繁に多量を飲んだ方が、吸血鬼の力は強くなっていくようだ。

血液でしか栄養を採れないが、多くの吸血鬼は普通の食事も行う。物によっては飢えを多少癒すこともできるため、単なる趣味と言うわけでもない。
普通の食事に対する味覚は個人差が大きく、アレルギーのように受け付けない者もいる。

力の大小によって苦手とする物が代わり、力の弱い者は物語にあるような日差しやニンニクを苦手とする。強者弱者ともに苦手とする物は主に銀製品。




➤ 子孫

吸血鬼は性行為で子を成さず、双方合意のもと相互吸血で子孫を残す。そのため、吸血鬼と人間で子供は作れない。出来るのはあくまで眷属のみ。
子孫を遺すという欲求も人間に比べれば少なく、吸血鬼一族として名が挙がるのは名門や歴史が古い家系ばかりである。




➤ 眷属

吸血鬼が人間に〝 意図して 〟血を与えることで、人間を自分の眷属にできる。

眷属となった人間は不老となるが、その寿命や治癒能力は吸血鬼からは大きく劣ってしまう。大抵の場合日差しに弱くなることも確認されているが、力の強さは血を与えた吸血鬼によるようだ。
吸血鬼は自身の眷属に絶対の命令権があり、主従関係が覆ることはない。主が弱れば眷属も弱り、主が死ねば眷属も死ぬ。

普通の食事に加え、人間の血液を栄養源とする。しかし月に一度必ず主の血液を飲まなければ、眷属は喰種に堕ちてしまう。




➤ 殺し方

その吸血鬼の階級によって変わるが、基本は心臓を抉った上で火炙りにする・銀の銃弾で脳、心臓の二箇所を撃つ・人間の血液を与えずに喰種になるまで監禁する……など。



➤ 階級

吸血鬼と共存するために、協会が考えたランク。
大戦争の前に存在していた華族制度をそのまま流用しており、上から順に皇(すめらぎ)・公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵。
喰種

➤ 生態

吸血鬼や眷属が一定期間血を接種できない、何かの条件により理性を失うなどで堕ちる存在。
吸血鬼のなりそこない。

意思疎通はとれず、人間・吸血鬼問わず動くものを手当たり次第に襲う化け物。吸血鬼と同等の膂力を持つが、その肉体は非常に脆い。殺し方は吸血鬼とほぼ同じ。


喰種に堕ちた者を元に戻す方法は解明されていない。
契約

➤ 契約について
吸血鬼と人間が契りを結ぶ行為。

契約方法は吸血鬼によって様々だが、大抵は儀式めいた古めかしいもの。
契約後、人間の体のどこか( 吸血鬼が決められる )に刻印が、吸血鬼の左手薬指に指輪のようなタトゥーが浮かぶ。これは契約を破棄するまで消えない。


契約の破棄は基本的に不可。
吸血鬼は人間が死ぬまで他の人間と契約できず、人間は複数の吸血鬼と契約できるが肉体的に負担が大きい。
ただし、力の強い吸血鬼による契約の上書きは可能らしい。


歴史を遡れば、本来は吸血鬼と人間の婚姻儀式であったことが分かるが戦争の後に廃れてしまい、今では覚えている者も少なくなった。



➤ 変化

人間側
・血味の向上
・血液量、造血力の増加
・治癒前の傷を契約主の吸血鬼へ移行できる
・契約主を自身の血を使って呼び出せる

吸血鬼側
・回復力増加
・契約者への命令権
・契約者の人間がどこにいるか分かり、いつでもその場へ移動できる



➤ その他

・吸血鬼は人間についた『 マーキング 』を嗅覚または視覚で感じることができる。マーキングは前述した契約で刻まれる印の他、吸血鬼が人間へ一方的につけることができる短期間のものがある。

契約済の人間は血液の味が良くなるが、これは契約主だけでなく他吸血鬼にとっても同様。
そのため現在〝 刻印狩り 〟が多発している。
純血

➤ 人間の中には特殊な血を持つ者がおり、それを昔から『純血』と呼んでいる。確率は数十万人に一人と非常に稀。


➤ 刻印持ちより遥かに甘く、栄養価のある極上の血液は吸血鬼にとって力の源となるため、彼らの間では高値で取引されるほど。
それ故に協会による保護・管理が行われているが、純血は突然変異で産まれる個体であり今でも取り零しは多い。
協会について悪い噂が増えた現在、吸血鬼と協会どちらからも狙われる存在といっても過言ではない。










➤ どうやら協会は『人工純血』について、長年研究をしているようだ。
協会

➤ 戦う力に乏しい人間を守りつつ、吸血鬼と共存をするための組織が〝 協会 〟である。
各地に聖堂を建て、街の見回り・吸血鬼被害の解決・月一の献血・血液不足の吸血鬼への配給などを担当。数は限られるが吸血鬼も所属しており人間だけの組織というわけではない。
所属している者は、各々の階級や立場によってエクソシスト、シスター、ハンターなどと呼ばれている。

『 特別高等警察吸血鬼課 』が正式名称だが、最近は廃れ気味。


・実働隊→吸血鬼狩りの最前線。過激派が多いのもこの隊だ。

・広報部→協会の活動・求人についての宣伝、ラジオや新聞への出演、市民からの相談窓口などを担当。

・研究室→実働隊が使う武器や道具、薬剤の発明、その他研究など全般。業績や活動は一般に知らされないことが多い。


 

➤ 協会の理念はあくまで〝 共存 〟である。

ただし協会も一枚岩ではなく、全ての吸血鬼を滅ぼそうとする過激派が近年勢力を伸ばしているようだ。

過激派かは分からないが、協会の者が金銭と引き換えに血液を不当に配給したり、保護した純血の人間や吸血鬼へ虐待を行っているなど黒い噂も耐えない。
オークション


➤ 吸血鬼の女子供や、純血の人間、刻印持ちなどが出品される人身売買場。商品は多岐に渡り、時には悪趣味なショーが行われることも。
不定期かつ場所が毎回変わるため開催前日に自宅へ手紙が届く( 表向きは百貨店のダイレクトメール )、一見客お断り、更に参加者は仮面必須という徹底ぶりで、人間と吸血鬼どちらの客も差別しない。一回で必ず億単位の金が動くとも言われる。



➤ 主催の顔、名前、立場は一切不明。



➤ 幾度も協会に摘発されているはずが一向に主要人物が捕まらず、未だに開催を止めることは出来ていない。