『 待つ宵の 』
Matsuyoino

「待つ宵」
来るはずの人を待つ、夜がきて間もない頃のこと。




光の当たる場所で生きれない男〝 八重真遠 〟が、
年の暮れに愛人に会いに行った病院で、今までに見聞きしたあらゆるものより美しい女〝 一条霞月 〟と出会ってしまう話。









「白い部屋、白い服、白い肌に覆われた中で目を惹く唇の、
なんと赤くおそろしいことか。彼女の爛々と輝く眼差しも、いっそ霞んでしまうくらいに」




「────その女はまるで、少女性の化身のようだった」

2023/3/1